詩集「憩いのみぎわに」による６つの合唱曲について　　　　　川口耕平

　表題の詩集（島崎光政編・筑摩書房刊）には、14名の重度身障者クリスチャンの詩作が
収められています。ギリギリの生の中から綴られた詩で一杯のこの詩集には、一つの特徴
がありますが、それは、神、キリストという言葉の使われていない詩が、多く選ばれてい
る事です。それは島崎氏の編集方針によるものと伺っています。
  かつて或る方から１冊を贈られた私は、数年間温めていましたが、演奏会に来られる皆
様にぜひ音楽と一緒に味わって頂きたいと願うようになり、４人の作品によって独唱曲８
曲を書いたのです。この独唱版はこれまで様々な所で、様々な歌手によって歌われて来ま
したが、今回、アルベルネ・ユーゲント・コールの定期演奏会のために、旋律的な６曲を
選んで混声合唱用に編曲しました。
　小さな作品ですが、同合唱団が３年続けて拙作を取上げて下さった事に感謝しつつ、演
奏会を楽しみにしています。